photo credit: Aspen Snowmass Shiffrin-1 via photopin (license)

今シーズンから不定期ですが、なるべく多く中間計時のランキングを出してみようかと思います。こうすることで、

・日本人選手の得意、不得意がわかる。
・上位選手の弱点が見えてくる。
・区間ランキングを知ることで、斜面ごとにフォーカスしてテクニックを自分で分析できるようになる。

ので、他のニュースサイトとは違った視点で上達に役立つ情報に仕上げていこうと思っています。ちなみにこの「区間タイム視聴法」は私が高校時代、自分でW杯選手達の滑りをメモして急斜面、中斜面、緩斜面ごとにビデオ研究していたものです。

さて、今日の本題ですが、なぜミカエラ・シフリンはいつも上位に来るのでしょうか。実際に第1から第2、第2から第3チェックポイントの区間タイムを見てみると、

実はシフリンより速い選手は意外と多い

ということがわかります。

詳しくは記事下のタイムとグラフを参照して欲しいのですが、シフリンは決して途中のタイムが速いわけではないのです。

しかし、日本人や他の海外選手にはない技術を持っているので、結果的に速いタイムが出せるわけです。それは、

[box class="box29" title="POINT"] どんな斜面、バーンコンディションでも1位ではないけど、常に上位のタイムをキープできる能力を持っている。
[/box]

ということがわかります。

内足に乗ってもメリットはほとんどない。

一時期、日本のスキー業界で大きな議論となった内足主導。このとき、2012年3月17日の日経新聞で元モーグル五輪代表の三浦豪太さんはこう書いています。

「内足主導」を小さなたった1つのコブを超えて行なうよう全ての参加者と講師に試した。結果、講師と参加者全員がバランスを崩し、その後ターンをつなげることができなかった。

中略

どんな時、どんな斜面でも通用する基礎を磨くこと。それこそが「本当の基礎」ではないだろうか。
*実際の新聞記事がこちら(これはSAJ指導員研修会の話です)

という言葉で締めくくっています。

つまり、シフリンの滑りは三浦さんの言葉をそのまま体現している滑りであり、他の選手は一部で速かったり、遅かったりの繰り返しで「タイムの安定感」がなく、一方のシフリンは常に安定してタイムを刻む能力を持っていることが下記のデータからハッキリとわかります。

腰の位置を高くし、リカバリーできるポジションを維持することの重要性

以前、

「スキーで速くなりたいなら上に力を抜くこと」

という世間の常識とは正反対のことを書きました。

  上に力を抜くということには賛否ありますが、これはあくまでもアルペンスキーの基本的な話です。スキー板をたわませるには上下の動きが不可欠であり、推進力を生み出すのもこの上下の動きです。ただし、ポールインターバルが凄く短いところなどは頭をあまり動かしません。重要なのはセットによって動きを使い分けることであり、基本と応用技術をきちんと分けて考え実行することです。

 多くの人はW杯での滑りが正しいと思いがちですが、下記のシフリンの動画を見ればわかる通り基本練習は別に行なっています。

無意識に正しいポジションに乗ることができるようになると、

  1. どんな斜面、バーンコンディションでもバランスを崩さず、
  2. スピードを維持、加速させ続けることができる

ので、このポジショニングは最も重要なポイントとも言えます。逆に言えば成績が出ない人は、この基本中の基本が抜けているので、10年苦しい練習をしても結果は出ないでしょう。

 シフリンは常に腰の位置が低くならないので、どの区間でも安定したタイムを刻むことができるのではないかと考えています。後ろのゼッケンから捲ったことのあるアルペンスキー選手ならこのことはよくわかるかと思いますが、ポジショニングはそれだけスキー技術において重要なことなのです。

どんな練習をすれば安定した滑りができるのか?

詳しい話は下記のまとめコーナーにて記事を紹介したいと思いますが、要点をまとめるとこういう感じです。

  • 夏の陸上トレーニングから徹底的に体幹やバランストレーニングを取り入れ、リカバリー能力を高めておく。
  • 筋力アップは必須。
  • ポールトレーニングの際、ポールから抜けないこと。(←ムリして怪我しない程度に)普段の練習で頻繁にポールを抜ける選手はたいてい完走率の悪い上位にいきやすい大会でも途中棄権していました。
  • 常にビンディングの真上に乗れるようフリースキー、ポールトレーニングで練習する。

といった意識が必要です。

以下は2017レヴィ女子回転2本目のみのデータになりますが、参考になれば幸いです。なお、記事下にある「まとめ」コーナーには上達に関する情報はもちろん、様々なスキー業界に最新情報をまとめていますのでブックマークしておくと便利です。

女子SLの動画

第1チェックポイントから第2チェックポイント(2本目)

第1チェックポイントから第2チェックポイントの実際のSLタイム

1 7 VLHOVA Petra 10.93
2 4 HOLDENER Wendy 10.95
3 42 HUBER Katharina 10.98
3 28 GALLHUBER Katharina 10.98
5 51 HOLTMANN Mina Fuerst 11.06
6 14 MEILLARD Melanie 11.07
7 47 ST-GERMAIN Laurence 11.11
7 34 SWENN-LARSSON Anna 11.11
7 21 FEIERABEND Denise 11.11
10 3 SHIFFRIN Mikaela 11.12
11 19 KIRCHGASSER Michaela 11.17
11 17 GAGNON Marie-Michele 11.17
11 11 STIEGLER Resi 11.17
11 1 HANSDOTTER Frida 11.17
15 25 FERK Marusa 11.23
16 13 BUCIK Ana 11.24
17 53 BRUNNER Stephanie 11.26
18 12 SKJOELD Maren 11.27
19 30 NOENS Nastasia 11.28
19 27 WIESLER Maren 11.28
19 16 DUERR Lena 11.28
22 15 GISIN Michelle 11.3
22 5 WIKSTROEM Emelie 11.3
24 2 HAVER-LOESETH Nina 11.34
25 37 DUBOVSKA Martina 11.36
26 22 MIELZYNSKI Erin 11.43
27 9 COSTAZZA Chiara 11.52
28 23 MOELGG Manuela 11.55
29 36 ALPHAND Estelle 11.64
30 18 THALMANN Carmen 11.73

第2チェックポイントから第3チェックポイント(2本目)

第2チェックポイントから第3チェックポイントの実際のSLタイム

1 53 BRUNNER Stephanie 20.29
2 23 MOELGG Manuela 20.31
3 7 VLHOVA Petra 20.32
4 4 HOLDENER Wendy 20.54
5 21 FEIERABEND Denise 20.6
6 3 SHIFFRIN Mikaela 20.68
7 18 THALMANN Carmen 20.72
8 19 KIRCHGASSER Michaela 20.8
9 15 GISIN Michelle 21.02
9 9 COSTAZZA Chiara 21.02
11 51 HOLTMANN Mina Fuerst 21.05
12 11 STIEGLER Resi 21.06
13 16 DUERR Lena 21.08
14 13 BUCIK Ana 21.11
15 36 ALPHAND Estelle 21.12
16 14 MEILLARD Melanie 21.13
17 42 HUBER Katharina 21.16
18 12 SKJOELD Maren 21.19
19 22 MIELZYNSKI Erin 21.2
20 47 ST-GERMAIN Laurence 21.29
21 1 HANSDOTTER Frida 21.32
22 25 FERK Marusa 21.35
23 27 WIESLER Maren 21.39
24 34 SWENN-LARSSON Anna 21.4
25 28 GALLHUBER Katharina 21.49
26 30 NOENS Nastasia 21.5
27 17 GAGNON Marie-Michele 21.59
28 37 DUBOVSKA Martina 21.64
29 5 WIKSTROEM Emelie 21.72

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photo credit: listingslab Night ski slalom FIS: 29 & 30 Dec at the Planards via photopin (license)

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