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今回のスキーが上達する練習方法はマルセル・ヒルシャーについてです。
国内はもちろん、海外でも分析記事が多く、今回はその第1段になるかと思います。ただ、結論から言えば
「誰も勝てない次元」
なので、真似できるものではないかもしれないので参考程度にしてください。
ステンマルクのように「2位が事実上の優勝位置」という時代が80年代にありましたが、ヒルシャーはその状況に近く、タイム差もステンマルクを彷彿させるような異次元の状況になっています。
「次の2022年北京冬季オリンピックは出ないだろう」と言ってますが、もしこのコメントが実現すればあと3年以内でヒルシャーは引退ということになるので、なるべく記事を増やしていければなと思っています。
ヒルシャーの滑りはステンマルクに近い。誰も真似できないスキー技術
今回紹介するのは朝日新聞、ワシントンポスト、そしてYouTubeの分析動画をアップして日本でも指導経験のあるReilly McGlashan氏の海外記事の3つです。
強さの秘密1:足首の使い方
トリノオリンピック男子回転4位で現在はSAJの競技本部長を務めている皆川賢太郎氏は朝日新聞の記事で
「足首の力で板を操作できる。あれは、かなわない」。ターンの時間を短くすることで、減速しにくい滑りができている。
参照:ヒルシャー、圧巻の2冠 アルペン男子大回転
とコメントしています。
ちなみに、下記の海外記事も同じ視点で分析動画もアップしていますが、やはり足首や足裏に注目しているようです。
アルペンスキーをやったことのある人なら誰でもあの短いターンは憧れです。もちろん、GSにおいて板を縦にしてたわみを生んでスキーの抜けを良くすることは短いターン弧でスキー板のたわみを引き出し、さらに加速するアルペン大回転のトレーニング方法でも書きましたが、正直あそこまでやったら普通のレベルのスキー選手ならミスを犯すのではないかと思ってしまいます。(内倒しそー)
日本人選手でもスラロームで短いターン弧を追求する選手もいますが、その分怪我もあり、ヒルシャーの技術を取り入れるには筋力と柔軟でバランス力のあるフィジカルの両方を実現させないといけないのかもしれません。
強さの秘密2:視界の広さ
ヒルシャーの滑りは旗門ギリギリのラインを通りますが、あれだけリスクの高いラインを攻めてもなぜ途中棄権が少ないのかいろいろ調べたら、ワシントンポストのインタビューにたどり着きました、
ヒルシャーは以前、アトミックのレースマネージャーChristian Hoeflehner氏が電話に出たら、20m離れていたヒルシャーに電話を気づかれたというエピソードを紹介しています。
音が鳴れば確かに電話と気づきますが、文章には「ヒルシャーがスキーをしているとき彼の集中力を切らすので、もう電話に出ない」と書いてあるので、おそらくヒルシャーが滑走中なのか、インスペクション中など何らかの行動をしている最中ではないかと推測されます。
何かをしていても、20m先の電話が見える視野の広さは、ビジョントレーニングをしたか元々備わっていた能力かもしれません。記事では
と書いてあるので、ひょっとするとポールの根っこまで見えたり、もっと先の旗門が見えるのかもしれません。
インスペクションで全て記憶して滑ることで補うこともできますが、もし根っこまで見えるのであれば視力がかなり良いという可能性もあるでしょう。
参照:Marcel Hirscher may be the greatest skier alive. But can he win Olympic gold?
強さの秘密3:外足の使い方
アルペンスキーにおいて基本外足荷重です。このことは皆川賢太郎氏の著書でも書かれていますし、多くの選手達はまずここから指導されるはずです。
しかし、カービングが登場して以降、両足荷重をする選手も登場し、しばしば「どっちがいいの?」という議論を見かけますが、ヒルシャーはやはり外足重視のようです。
Reilly McGlashan氏の分析によれば
と指摘。
確かにアトミックとのマテリアルの調整にはかなりこだわりがあるというのをどこかの記事で見たような記憶がありますが、少なくとも「板を縦にしてたわみをフルに生かして短いターン弧で仕上げる」という点は選手を経験した人ならば誰もが見ただけでわかります。
ただ、上記の皆川賢太郎氏のコメントでもわかるように、この記事でもやはり足首に注目しています。
気になる人は英語版で動画と記事も紹介されているので、下記の記事を見てみてください。
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